マニアも認める和歌山の純喫茶でほっこりしてきた。【前編】
こんにちは、ながっちです~。
先日、旅先で訪れた本屋さんにて
1冊の本に出会いました。
その名も、
『喫茶とインテリア』
ぱらぱらページをめくってみると、
和歌山市内の喫茶店をなんと4軒も発見!
掲載されていたのは、
①「珈琲るーむ 森永」さん
②「純喫茶 浜」さん
③「純喫茶 ヒスイ」さん
④「カフェ ぼへみあん」さん
知っている喫茶店の名前はありましたか?
どのお店も和歌山ではとっても有名で
昔から親しまれている喫茶店です。
この本の著者である
BMC(ビルマニアカフェ)さんとは何者なのか...
調べてみると、
1950年~70年代に建てられたビルから滲み出る渋みと艶やかな魅力と、
熱気に包まれイケイケドンドンだった時代背景に魅了された5人が
様々な角度でその魅力を謳い、不定期ながらゲリラ的にビルを使ったイベントを繰り広げ、熱いメッセージを送り続けるビル好き集団。
とありました。
文字通りビルのマニアなんですね。
この本は、
「喫茶店と洋食店の魅力は、人と空間が不可分で一体だ」
という考えのもと、
インテリアや店構えなどの空間と、
歴史と共に積み重なったストーリーが紹介されています。
詳しくはぜひ読んでみてください!笑
本を出しちゃうほどマニアな方々に
ピックアップされたこの4店に
一体どんな魅力が埋もれているのか、
そしてどのように楽しんだらいいのか、
さっそく調査してきました!
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今回は購入した『喫茶とインテリア』を片手に
あえておひとり様で巡ってみます。
1軒目は、
「珈琲るーむ 森永」さん
https://tabelog.com/wakayama/A3001/A300101/30003372/
けやき大通りに面していて
わかりやすい立地です。
昔ながらの喫茶店って
中の様子がわかりにくくて
扉を開けるのに勇気がいりますよね。
でもこの看板のゆるーいフォントと、
「喫茶」でもなく、「珈琲」でもなく
「珈琲るーむ」という言葉のチョイスに
緊張がほぐれます。
お店に入るとママが
優しく迎えてくれます。
この日は娘さんもお手伝いされていました。
店内には常連さんがお二人。
モーニングを注文して、
待っているあいだに店内で繰り広げられる
常連さんとママさんの他愛の無い会話を
勝手に楽しみます。
ちなみにこの日の話題は
・エバグリーンがあちこちにあってすごい
・なぜ万引きが起こるのか
身近なテーマから壮大なテーマまでの
振れ幅がすごいですが、
対応するママさんのトークは切れ味抜群です。
聞いているだけで元気をもらえます。
モーニングが到着!
ちょうどいいボリュームです。
割り箸にもなんだかほっこりします。
美味しくいただきました。
ここで、本に掲載されていた
BMCさん的店内の注目ポイントを
一部ピックアップしてみます!
・石へのこだわり
少しわかりにくいですが、
ところどころに「SKT」と彫られたレンガが使われています。
「SKT」とは何なのか!?
SKTのSKは耐火煉瓦の等級を表しており、
昭和30~40年代に生産が活発だったものだとか。
外壁には名建築によく使われる「大谷石」という石が使われていたり
石が好きな店主さんのこだわりによって
様々な場所に通好みの素材が使われているみたいですよ!
・かわいいパーテーション
花柄があしらわれたアイアンのパーテーションが、
店内をほどよく可愛らしい雰囲気に。
・赤い光の特別席
上の写真の奥に見える怪しい赤い光。
入ってみると思ったより赤い...
裏鬼門ということで弥勒菩薩だそう。
パワースポット的な雰囲気が出ています。
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帰り際に、
「この本を見て来ました~!」
と伝えると、
「あらほんと~!嬉しいわ~!!!
お店にも一冊置いてるんやけど
何度も読んでもうぼろぼろ。笑
記念になるから嬉しくてね。」
と嬉しそうに答えてくれたお2人。
森永さんはなんと1947年からの営業。
約70年ものストーリーがつまった空間を
守り続けられています。
元々大阪出身で都会育ちのママさんは
結婚を機に和歌山へ来られたそう。
「初めはなんて田舎にきてしまったんや~と思ったけどね、今は和歌山大好きよ。
ゆったりしててほっとするんよ〜。」
「あそこに飾ってる木彫りの絵も私が彫ったんよ〜!
木彫り教室に通ってるんやけど
喋ってばかりで全然進まんくってね!笑」
溢れ出すマシンガントークから
和歌山とお店への愛が
伝わってきます。
「古いものを大切にするのが私の信条よ。」
と、いうママさんの
シンプルでまっすぐな言葉も印象的です。
「また来ますね。」と言うと、
「待ってるからね〜〜!」
と返ってきた言葉が本当に暖かくて
なんだかとても感動してしまいました。
和歌山にもうひとり
素敵なおばあちゃんが増えた気分になります。
純喫茶の楽しみ方の一つとして
「思い切って店主さんに話しかけてみる」
のは大切だなぁと感じました。
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高まった気持ちのまま次に向かったのは
「純喫茶 浜」さん。
https://tabelog.com/wakayama/A3001/A300101/30003374/
浜コーヒーの名前でおなじみの方も
多いのではないでしょうか?
こちらも中の様子がわからず
一瞬ドアを開くのをためらいますが、
思いきって中へ!
心配をよそに
とても優しそうなママさんが迎えてくれます。
川に面しているので
店内は予想外に開けた空間。
思わず窓ぎわに座ります。
ホットコーヒーを注文しました。
注文してから豆を挽き、
マスターが丁寧に淹れてくれます。
『原色日本の美術』という本がずらーり。
『喫茶とインテリア』も置いてありました。
ここでBMCさん的注目ポイント。
・ガラスブロック
レトロなガラスブロック。
川に面しているので優しい光が入ります。
・コテージのような壁
丸太を積み重ねた壁が暖かい雰囲気を作り出しています。
・剥製や工芸品
かなりインパクトのある剥製や工芸品が
店内のいたるところに飾られていますが、
驚くほど雰囲気に馴染んでいます。
これは本物のペンギンの剥製。
茶色くなっているのはタバコのヤニだそうで
いい味になっています。
左の謎の仮面との距離感が近い。
こちらの亀も本物です。
下の亀のほうが貴重らしいです。
全然違いがわからない...。
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この日の店内は、
隣に新しくできたレストランのメニューの一つである
「タコライスとはなんぞや」
という話題でもちきり。
蛸がのっているライスではないという事実に
衝撃を受けるマスターが
常連さんと一緒に、
タコライスへの理解を深めていく様子がとてもかわいくて
勝手にほっこりしてしまいました。
イヤホンで耳をふさいでしまうのではなく
ゆったりとした店内で、
常連さんと店主さんの会話をBGMのように楽しむのも
ありだなぁと思いました。
ひとりでにやにやしてしまいましたが...笑
こちらのお店も1958年からの営業と
かなり歴史が古い喫茶店。
ここに行ったことのある方は
「歴史と共に丁寧に育てられた喫茶店」
という印象を持つ方が多いようです。
最後にこの本を読んで来ました!と伝えると
「若い人はあんまり来ないから、
こうやって来てくれると張り合いがあって嬉しいわ〜!」
と喜んで下さったマスターとママのお2人。
スタバで友達とおしゃべりもいいですが、
たまには一人で
窓ぎわの席に座ってゆっくりすごしてみませんか?
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というわけで今回はここまで。
次回はヒスイさんとぼへみあんさんに
行ってみます。
つづく。